「健康増進法?そんなの関係ねぇ」 衆院で進まない分煙対策

衆院いまだモクモク、健康増進法決めたのに 参院は分煙 朝日新聞(2008.5.3)
公共の場の管理者に分煙の努力義務を課した健康増進法施行から1日で5年。立法した国会では、参議院は喫煙室以外は禁煙となっているが、衆議院では分煙が進んでいない。ねじれ国会で両院が異なる意思を示すケースが続発しているが、漂う「空気」自体も異質となっている。(以下略)

最後の1文はすべった感もありますが、それはおいといてパンダ

受動喫煙に関しては、平成15年5月1日に施行された「健康増進法」に
「受動喫煙の防止」を規定した項目があります。
健康増進法 第25条
学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。

と、法律で「官公庁施設も受動喫煙対策してね」となっているのですが

○参議院
 ・ガラスで仕切った部屋を設置し、そこ以外は禁煙。

○衆議院
 ・本館分館含め9ヶ所に灰皿配置して、横に空気清浄機を設置。煙は仕切ってない。
 ・衆議院内食堂はほとんどのテーブルに灰皿設置

両院で、対応が異なっています。

さて、厚生労働省の「新たな職場における喫煙対策のためのガイドラインの策定について」によると

1.喫煙コーナーじゃ受動喫煙を確実に防げないから煙が漏れない喫煙室を設置してね
2.1.ができない場合は、(屋外に排気できない)空気清浄機はあまり効果ないから、煙が広がる前に吸引して屋外に排気する方式にしてね
3.どうしても空気清浄機を使うなら換気に特段、気をつかってね

ということなので

参議院は、(全面禁煙の)次善の策である「煙が漏れない喫煙室」を利用した完全空間分煙で合格点
衆議院は、問題ありで食堂は論外

と言った感じでしょうか?
って、その法律を成立させたのって自分たちじゃんパンチ!


さて、ガイドラインを策定した厚労省の方とはいうと

2003年5月1日に、健康増進法施行
2003年5月9日に、上記ガイドラインを発表
2006年4月1日に、中央合同庁舎5号館(厚労省や環境省が入っている建物)全館禁煙

こちらも、第154回通常国会(2002年)で法案を提出したという、旗振り役な割には・・・3年がかりです。

ちなみに、「厚労省の全面禁煙は不十分」と指摘されているサイトがありましたので
リンクを貼っておきます。

厚生労働省 健康増進法第25条(受動喫煙対策義務)違反および喫煙室設置のための多額の公金支出を告発するホームページ  

Posted by パン at ◆2008年05月11日12:33

夕張医療センターが夕張市と北海道を批判「責任放棄だ」

「地域守る責任放棄」 夕張医療センター、道・市を批判 朝日新聞(2008.5.1)
北海道の旧夕張市立病院を公設民営診療所として引き継いだ夕張医療センターの経営危機問題で、同市の前病院経営アドバイザー、伊関友伸・城西大准教授が30日、記者会見し「センターは黒字経営の医療をしているのに、老朽施設の維持費で資金不足に陥っている。財政破綻(はたん)の市に代わって地域医療を守るべき道の責任は大きい」と述べ、トップの高橋はるみ知事の責任に言及しながら厳しく批判した。

同席した同センター長の村上智彦医師も、市側がセンターの「経営努力の必要性」を指摘したことに対して「訂正しないなら、我々はここを立ち去るつもりだ」と怒りをあらわにした。

2007年3月に財政再建団体に認定された北海道の夕張市ですが
その夕張市が運営していた夕張市立総合病院は

 ○病院事業会計を(市の会計の)不適切な会計操作の場として利用
 ○診療報酬請求漏れが多い上に、患者の未払いは放置(職員アンケートより)
 ○一時借入金が平成4年に10億円、赤字は40億円を超えたのに抜本的改革をしない

ということから、財務状況は悪化していた上に

 ○医師の給与は300万円安い(卒後15年目、道内平均比)
 ○准看護師は110万円高い(全国平均比)
 ○コメディカルや現業職、事務職は70-200万円高い(全国平均比)
 ○古株が幅をきかす(職員アンケートより)

といったことから、平成15年頃から医師・看護師の退職が相次ぎ、財政再建団体になった頃には、医師数の絶対的不足により「病院存続すら危ぶまれる」という状態でした。


そこに助け船を出したのが、北海道瀬棚町(2005年9月1日に北檜山町・大成町と合併し、せたな町へ)の瀬棚町国民健康保険医科診療所で働いていた村上智彦医師(←クリックでWikipediaに飛びます)です。

村上医師が瀬棚町で取り組んでいたのは「地域医療」と「予防医療」

保健師が各家庭を回り保健指導を繰り返すことで、むだな投薬や検査を減らす「予防・地域包括ケア」を実践し、就任前の99年には約106万円だった1人当たりの老人医療費を退任時には77万3678円にまで改善させた。

と、「予防医療と言えば瀬棚町」「予防医療と言えば村上医師」というぐらいの有名な先生なんですが
ただ、合併後の「せたな町」の新町長が「道路や産業が優先」と主張し、予防医療に制限を加えたため退職。これについては、下記の記事が詳しいです。

地域医療先導 医師去る せたな町 朝日新聞(2006.3.10)

と、このように地域医療・予防医療の実践家として結果を出している村上医師が「夕張市民のためになるなら」と旧夕張市立病院を公設民営診療所として引き継いだ夕張医療センターのセンター長に就任しました。

が、夕張市側は村上医師一人のみ頃から「救急もやって」だのと、無理を押しつけ・・・というか
「やっときた医師を使い捨て」にするようなことを本人に頼んだりしていましたが

今度は「センターは黒字経営。だけど市から譲り受けた施設がボロ年季が入っているため光熱費が無駄に3000万円かかっているので資金不足」という医療センターに対し

「人件費が高いんだよ、経営努力が必要だろ」と指摘したそうです。

「市民のために」とかけつけた医師に対し、医療介護を丸投げした上に
上記のような発言をする夕張市ですが、「今度、撤退されたら再びくる医師なんていない」
ということを理解しているのでしょうか雨

◇参考リンク
夕張市公式ホームページ
夕張医療センター
夕張の診療所が危機 札幌テレビ放送  

Posted by パン at ◆2008年05月09日01:16

就職氷河期以降の非正規雇用急増で将来の生活保護20兆円増?

非正規雇用で生活保護20兆円-シンクタンク試算 CBニュース(2008.4.30)
1990 年代のバブル経済崩壊から2000年代初めにかけての「就職氷河期」といわれる時期に急増した非正規雇用について、シンクタンクの総合研究開発機構(NIRA)は4月30日までに、この時期の非正規雇用者が低水準の賃金で十分な年金を確保できないまま、退職後に生活保護受給状態に陥った場合、20兆円程度の追加的な財政負担が生じるとの研究報告書をまとめた。(以下略)


研究報告書全文はNIRAのサイトにあります。

就職氷河期世代のきわどさ―高まる雇用リスクにどう対応すべきか 総合研究開発機構(NIRA)

より一部引用しています。

(2)就職氷河期に発生した非正規雇用の深刻度

■将来に発現する貧困問題としての就職氷河期非正規雇用
非正規雇用の問題点について指摘してきたが、特に本報告では就職氷河期に大きく増加した非正規雇用の問題に注目する。技術革新などの構造変化を背景として発生する労働の二極化により低賃金雇用に対する需要が増加し、これが傾向的に非正規雇用をおしあげている点については留意が必要である。しかしながら以下に示すように就職氷河期に増加した非正規雇用の規模は社会的にみても深刻なものであり、現時点ではそれが明確に認識されていないおそれがある。
就職氷河期に正規採用されずに失業もしくは非正規雇用となった場合には、現在20 代後半から30 代半ばにあって引き続き非正規雇用状態を続けている可能性が高い。しかし、非正規雇用で年収200 万円程度であっても、親と同居したり親からの経済的な支援を得ながら生活している場合には貧困問題として現時点で表面化することはない。またこの年齢層で単身で生活している場合でも、すぐに生活困窮世帯に陥る可能性は低く、生活保護認定の基準が厳しいことから生活保護世帯として認定されることもない。したがって現時点では低賃金・低所得は結婚・出産への障害となるなどの問題はあっても、貧困問題として現れてくる段階にはない。

■70 万人を上回る大規模な将来高齢生活困窮者に対する生活保護費用は累計で約20 兆円
すでにみてきたように現在問題視されている非正規雇用のなかでは、就職氷河期に大量に発生した非正規雇用者の規模の大きさが目立っている。バブルが崩壊する前の非正規雇用者比率、無業者比率とバブル崩壊後に経済状況が悪化した時期に大幅に上昇した比率との差を景気悪化による需要要因と考えて、就職氷河期を通じて需要要因により増加した分の非正規雇用者、無業者の規模を試算すると120 万人程度となる。
新卒段階で正規採用されなかった若年層の正規雇用への転換は難しく、彼らの大部分が低水準の賃金のまま年金対応もできずに高齢化に突入するという前提で生活保護に必要となる追加支出を試算すると約20 兆円程度の規模となり、社会的にも深刻な影響を与える規模となる(資料3:就職氷河期世代の老後に関するシミュレーション参照)。


「非正規雇用で年収が200万円であっても、現在は親と同居している等、生活保護の基準には当てはまらないが、このままの賃金が続いたまま高齢化に移行し、生活保護が適用されると20兆円もの財政負担が発生する」という内容です。

この件に関する政策提言も報告書にありますが、斜め読みして、まとめてみました↓

3.政策提言:雇用も含む経済社会制度の総合的な見直しが必要

■グローバル化、IT化への対応に必要な雇用慣行と雇用制度の総合的見直し
グローバル化、IT化、経済社会環境の変化などにより非正規雇用が増えてきた。
しかし、雇用施策はこれまでの日本型雇用に頼っており(=企業に頼っており)
雇用保険などは守備範囲が限定的であるなど、対応しきれておらず、若年層を中心に雇用制度を統合的に見直す必要がある。

■雇用に関するセーフティー・ネットの再設計
これまでの日本型雇用(正規雇用中心)であり、非正規雇用やワーキングプアに対しては十分ではない。社会保障の枠組みを若年非正規雇用にも対応しつつ全体的なバランスも取れるように再設計する必要がある。

■非正規雇用から正規雇用への実効性のある転換支援政策
非正規雇用から正規雇用へ転換するためには、雇用者(働いている人)の能力向上が必要であるが、それを雇用側のみに負わせるのは現実的ではなく、公平・公正な外部労働市場の整備が必要である。
*外部労働市場とは、企業外から企業への労働力の移動、新採用も中途採用も転職などを指します。一方、企業内での昇進や配置転換は内部労働市場といいます。
そのためには、明確な内容の雇用契約を法律で強制し、「ジョブカード」など一定の資格要件を満たす場合は、一定の比率での採用を義務づけるべき。
*ジョブカードとは、厚労省が提供している「履歴書」みたいなもので、技能や職業訓練プログラムの受講歴などを、客観的に証明するもの・・・らしいです。
■福祉から雇用へ
イギリスのニューディール政策で採用された、「福祉から雇用へ」という方針にそった制度設計を目指すことが望ましい。若年非正規雇用者を就職支援プログラムに参加させるための十分な動機付けを行うには、所得保障給付の仕組みも含む雇用を巡る社会保障制度の再設計が必要となる。低所得労働による貧困からの脱出をめざす努力を喚起するなど、雇用者自身の意欲を高めるための仕組みとしては、勤労税額控除の制度は有効な手段と考えられる。

■就職に結びつく教育、研修の重要性と企業の受け入れ
学校、企業、行政がそれぞれの役割を果たしながら制度変革を行う。

■雇用支援策の科学的な政策評価が不可欠
「若者自立・挑戦プラン」などを実施しているが、総合的な評価がなされたとは言えない。
実証分析に基づく客観的な政策評価を行うことが、就職氷河期の非正規雇用対策の制度再設計には不可欠。

■求められるライフ・ワーク・バランスの確保
正規雇用であっても長時間や心理的重圧など過重な負担を伴うことがあり、「正規雇用化」ですべての問題が解決するわけではない。本来の正規雇用は、社内での十分な能力開発を通じて、地域コミュニティでの長期安定雇用確保を目標とするのがよい。しかし、グローバル競争の下で短期的な収益性のみを優先する経営方針とは相容れない部分もある。雇用制度全体の制度設計の方向性について、国民的な合意の形成が必要とされている。


「20兆円シミュレーション」や上記にあがっている「イギリスのニューディール政策」については、

就職氷河期世代のきわどさ―高まる雇用リスクにどう対応すべきか

の下の方にある、「III.資料編」に詳しい資料があります。

◇参考リンク
総合研究開発機構(NIRA)
総合研究開発機構 Wikipedia
大手町博士のゼミナール ジョブ・カード 読売新聞
New Deal The Department for Work and Pensions (DWP:英国労働年金省)  

Posted by パン at ◆2008年05月08日21:29

木更津市、訃報のような通知書に苦情相次ぐ

後期高齢者保険料通知 木更津市に苦情相次ぐ 読売新聞(2008.5.2)
木更津市が4月10日に発送した、後期高齢者医療制度(長寿医療制度)に基づく保険料の通知書について、市民の間から「封筒のデザインが訃報(ふほう)を連想させる」などの苦情が相次いでいる。

この封筒は紙の色が白く、対象者の名前を太い黒枠で囲んだデザインとなっている。市保険年金課は4月15日の保険料徴収開始日を前に、75歳以上の市民約8100人に封筒を発送。ところが、その直後から「遺影のようで不愉快」などと訴える電話が20件ほど寄せられた。

その保険料の通知書というのは、こんな感じなんですが

木更津市通知書
*読売新聞社の記事を参考に作成

のぞき窓が黒で縁取られ、その中に住所氏名が載っているために
「訃報っぽい」とのことです。

確かに、訃報っぽいと言えば訃報っぽいですね・・・雪


◇参考リンク
木更津市公式ホームページ
ゆめ半島千葉国体 第65回国民体育大会・ゆめ半島千葉大会 第10回全国  

Posted by パン at ◆2008年05月07日20:32

沖縄県与那国町が保健師急募中

職員募集 与那国町(沖縄県)

平成20年度保健師募集案内

1.採用予定人員
  1名
2.採用条件
  保健師資格を有する者。
3.給与等
  給与額:大卒201,100 円、短大卒193,600 円(新卒の場合)
  (平成20 年4 月1日現在)
  各種手当等:住居手当、通勤手当、扶養手当等あり。赴任費ついては実費を支給
4.応募手続き
  提出書類:履歴書(特に指定なし)、保健師免許証の写し
  申込先と申し込み方法:与那国町役場 総務財政課へ提出(郵送可)
5.選考
  試験内容:個人面接(書類提出後に実施) 
6.お問い合わせ
  与那国町役場 長寿福祉課
  〒907-1801 沖縄県八重山郡与那国町字与那国129 番地
7.その他
  人口約1,600 人、晴れた日には台湾が見える、日本最西端の島です。
  「三世代が安心して住める、明るく心豊かなやさしい町」をめざし
  赤ちゃんからお年寄りまで多くの住民との対話をとおして、一喜一憂しながら活動しています。
  課の職員は7人、一緒に頑張ってくださる仲間を心からお待ちしております。


なお、月刊地域保健 2008年4月号に前任保健師さんのインタビュー記事が掲載されています。
離島やへき地で保健師したいと考えている方は、是非読むことをおすすめします。



◇参考リンク
与那国町役場
与那国島 美ら島物語情報
与那国町商工会
沖縄移住に失敗するワケとは 沖縄移住支援センター  

Posted by パン at ◆2008年05月06日21:36