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90日入院制限の後期高齢者特定入院基本料が凍結へ

後期高齢者にふさわしい医療は「90日以上は入院するな」?(2008.4.6)

で「後期高齢者(65歳以上の障害者や脳卒中後でリハビリが必要な患者等を含む)が一般病棟に90日以上入院した場合、報酬が2/3以下に減額され、さらに検査費も薬剤費も支払われない」という後期高齢者特定入院基本料について触れましたが

この「後期高齢者特定入院基本料」の導入が凍結されたようです。(本来は10月からの導入予定)

ソースは下記からどうぞ
75歳以上の入院基本料、報酬減額を凍結 厚労省方針 朝日新聞(2008.8.5)
長期入院の診療報酬減額を見直しへ 厚労省 MSN産経ニュース(2008.8.4)

ちなみに、朝日新聞の記事では
一般患者向けベッドの1日あたりの診療報酬である「入院基本料」は1万5550円(看護師の配置が手厚い場合)だが、75歳以上の高齢者が90日を超えて入院する場合は9280円に減額される。08年度の診療報酬改定で、これまで対象外とされていた脳卒中の後遺症と認知症の患者も、新たに減額することになった。「急性期の治療を終えて容体が安定した患者は、費用の安い療養病床や介護保険の施設に移ることが適当」との理由からだ。

だが、厚労省は療養病床の削減計画を続けており、それに代わる老人保健施設などの受け皿整備も進んでいない。このため、与党内からも「入院基本料の減額は慎重に行うべきだ」との声が出ていた。

と、「退院後の受け入れ先である療養病床が削減され、老人保健施設の受け入れ体制も十分ではないから」と記述していますが

グループあげて病院嫌いな産経新聞の記事では
収入減を嫌う医療機関が、脳卒中や認知症の長期入院患者に退院を促すことも予想され、野党や医療関係者から批判が相次いでいた。

「儲けがなくなるからと、病院が患者を追い出しかねないから」と病院に悪い印象を抱く文章で締めくくっています。もっとも、産経の社会保障関連記事なんて、いつもこんな感じですが雨


後期高齢者特定入院基本料については、zundamoon07先生のブログ「リハ医の独白」で詳しく解説されています。

後期高齢者医療制度の破綻と後期高齢者特定入院料という時限爆弾 リハ医の独白(2008.4.27)

◇関連記事
特定健診・特定保健指導情報(0)はじめに(2007.11.10)
特定健診・特定保健指導情報(1)保険制度の概要(2007.11.12)
特定健診・特定保健指導情報(2)後期高齢者医療制度(2007.11.16)
特定健診・特定保健指導情報(3)ペナルティの試算(2007.11.16)
後期高齢者にふさわしい医療は「90日以上は入院するな」?
定保健指導、85%の自治体で無料のワケ(2008.5.27)
90日入院制限の後期高齢者特定入院基本料が凍結へ(2008.8.6)  

後期高齢者医療制度の周知、厚労省「不十分だった」

長寿医療制度、「PRが不十分だった」 CBニュース(2008.7.11)
厚生労働省はこのほど、75歳以上を対象にした後期高齢者医療制度(長寿医療制度)のQ&Aを公表し、「長寿医療制度について改めてご説明させてください」と理解を求めている。同制度に対する批判などが出た原因として、「PRが不十分だった」「間違った情報が流れた」の2点を挙げたほか、6月に一部見直された「低所得者の保険料」と「年金からの保険料の支払い」についても説明している。

というわけで、厚生労働省が「改めてご説明させてください」とコメントつきのQ&Aを掲載しています。

厚生労働省長寿医療制度サイト
厚生労働省(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/chouju_qa/)

長寿医療制度Q&A “長寿医療制度”が始まりました

1.様々な意見や批判に対する政府の対応
2.制度の仕組み
3.医療制限について
4.日本の医療制度が諸外国と比べて優れている点
5.6月に行われて見直しについて
の5項目についてQ&A形式で答えていくという内容になっています。

詳しくみてみると

1.について
75歳以上の方々は様々な形で医療機関にかかる機会が多く、医療費の負担が大きくなりがちですから、そのような方々を財源面で手厚くする必要があります。税金と現役世代からの仕送りでしっかり支え、高齢者ご自身の保険料は、全体で、従来と同水準の1割としています。『高齢者の医療費を国民皆でしっかりと支える仕組み』、これが基本です。

ちなみに医療費の適正化は、糖尿病などの生活習慣病等を予防することや、長期入院を是正することにより達成しようと考えています。長寿医療制度と医療費の適正化は、つながっていないのです。
(出典:厚生労働省「長寿医療制度Q&A」より)

厚労省保険局総務課高齢者医療企画室長補佐が1月に金沢に開催されたフォーラムで「独立型にしたのは、医療費が際限なく上がっていく痛みを、後期高齢者が自ら自分の感覚で感じ取っていただくことにした」とホンネを暴露していた頃に比べると、オブラートに包んだ柔らかい表現になってますね。

さて、厚労省はこの制度が「医療抑制策」と国民に批判されているのが、嫌なようでして
わざわざ、「医療費適正化は、生活習慣病の予防と長期入院の抑制で行う、だから、長寿医療制度と医療費の適正化は、つながっていないのです」と付け足しています。

が、この説明は、ちょっと無理があります。

というのも、前出の高齢者医療企画室長補佐が、フォーラムに参加したのは「後期高齢者医療制度高齢者医療制度の創設とねらい」というテーマの基調講演を行うためだったのですが、その内容を見てみると
◇何故、(長寿医療制度を)独立型保険にしたのか。
○医療費が際限なく上がっていく痛みを、後期高齢者が自ら自分の感覚で感じ取っていただくことにした。今まではそうではなかった。
○例えば月25回通院している人が多くいれば石川県の医療費があがる。それを月20回に減らせば、医療費が下がり保険料は下がる。
○医療費が高い県は、北海道、福岡、大阪である。低い県は長野県である。長野県が何故医療費が低いかというと二つの理由がある。表向きの理由は、長野県には、指導員がたくさんいて、食生活などの生活指導を盛んに行っている。その指導の効果があって医療費が低くなっている。もう一つの理由は、病院が少なく、病院へのアクセスが大変なので、病院には気軽に行けない。だから医療費が低くなっている。
○北海道は、何故医療費が高くなっているか。北海道では広いので病院へのアクセスが悪いのですぐに入院となる。北海道は明治以降に発展した地域。だから、歴史と人のつながりも弱い。家族が病院で看取りたいという人が多い。
○大阪は何故高いか。大阪ではかゆいところに手が届く濃厚診療が行われているからである。
○医療費が高いところは保険料が高くなる。医療費抑制のために努力されている県は負担が少なくなる。
(出典:大阪社保協FAX通信第744号 大阪社会保障推進協議会)

「保険料を下げるためには、医療費を抑制しなさい」「受診回数を減らす・病院に気軽に行けなくする・看取りは病院で行わない・濃厚な診療を行わない、といった環境だと医療費は抑制できる」
という考えが、ほんわかと見えてきます。

実際、制度自体にも、当初は「地域担当医制度というアクセス制限」や「診療報酬月額6000円まるめ」が掲げられていたことから、制度のねらいに「医療費適正化」が入っているとは考えるのが妥当ですね。

そんなこんなわけで「長寿医療制度と医療費の適正化は、つながっていないのです」と言われると、つっこまずには居られませんでした。

P.S
「25回を20回に減らす」のは、賛成です。もっと減らしても良いような気もしますが。

◇参考リンク
長寿医療制度Q&A 厚生労働省
高齢者の医療の確保に関する法律 houko.com  

町村官房長官「後期高齢者医療制度は堂々と説明できる」

後期高齢者医療制度、官房長官「堂々と説明できる」 日本経済新聞(2008.5.11)
町村信孝官房長官は10日、札幌市内で講演し、与野党から見直し論が出ている後期高齢者医療制度(長寿医療制度)について「いろいろ批判はいただいているが、制度そのものは国民に堂々と説明できるものだ」と述べ、抜本見直しは必要ないとの認識を強調。民主党が主張する制度廃止に関しては「何の代替案もなく単に制度を廃止するのは次世代へのつけ回しにすぎない」と反論した。(07:02)

「お前は本当に堂々と説明するのかと、小1時間問い(略」
ってな気分ですよ(゜Д゜)

とりあえず、内閣官房に「町村ホットライン」を設置してください。
通知書にデカデカと載せますので曇り


◇参考リンク
町村信孝オフィシャルホームページ

東京大学経済学部出身の通産省官僚出身のようです。

北海道5区での取り組みを見ていると、これまでの取り組みも今後の課題も
「整備事業」「建設」「2次改築」「整備促進」「再開発事業着工」と土建ばっかりですねの~まんじゅう
保健医療福祉に関しても「老人ホーム建設」「デイサービス建設」「ケアハウス建設」ばっかりです。  

木更津市、訃報のような通知書に苦情相次ぐ

後期高齢者保険料通知 木更津市に苦情相次ぐ 読売新聞(2008.5.2)
木更津市が4月10日に発送した、後期高齢者医療制度(長寿医療制度)に基づく保険料の通知書について、市民の間から「封筒のデザインが訃報(ふほう)を連想させる」などの苦情が相次いでいる。

この封筒は紙の色が白く、対象者の名前を太い黒枠で囲んだデザインとなっている。市保険年金課は4月15日の保険料徴収開始日を前に、75歳以上の市民約8100人に封筒を発送。ところが、その直後から「遺影のようで不愉快」などと訴える電話が20件ほど寄せられた。

その保険料の通知書というのは、こんな感じなんですが

木更津市通知書
*読売新聞社の記事を参考に作成

のぞき窓が黒で縁取られ、その中に住所氏名が載っているために
「訃報っぽい」とのことです。

確かに、訃報っぽいと言えば訃報っぽいですね・・・雪


◇参考リンク
木更津市公式ホームページ
ゆめ半島千葉国体 第65回国民体育大会・ゆめ半島千葉大会 第10回全国  

厚労省室長補佐が「後期高齢者医療制度」のホンネ解説書を発刊

後期高齢者医療制度:終末期の「抑制」重要 厚労省本音 毎日新聞(2008.4.24)
後期高齢者(長寿)医療制度を担当する厚生労働省の職員が、自ら執筆した解説書の中で、死期の近づいたお年寄りの医療費が非常に高額として終末期医療を「抑制する仕組み」が重要と記していたことが分かった。23日の衆院厚生労働委員会で長妻昭議員(民主)が指摘した。制度導入の本音の一端が浮かんだ形だ。

解説書を書いたのは高齢者医療企画室長補佐。今年2月刊行の「高齢者の医療の確保に関する法律の解説」(法研)で、75歳以上への医療費が「3日で500万円もかかるケースがある」としたうえで、「後期高齢者が亡くなりそうになり、家族が1時間でも1分でも生かしてほしいといろいろ治療がされる」「家族の感情から発生した医療費をあまねく若人が負担しなければならないと、若人の負担の意欲が薄らぐ可能性がある」などと記述、医療費抑制を訴えている。

また、補佐は今年1月に金沢市内で開かれた一般向けフォーラムで講演し、独立型の保険とした理由について「医療費が際限なく上がっていく痛みを後期高齢者が自ら自分の感覚で感じ取っていただくことにした」とも発言していた。【野倉恵】
毎日新聞 2008年4月24日 11時24分(最終更新 4月24日 12時22分)


「医療費削減」を省是(と言う言葉があるかは知らないけど)としている厚労省は、特定健診・特定保健指導を導入し、糖尿病をはじめとした生活習慣病を予防することで、医療費抑制を狙っています。
(というか、地方自治体もそのために準備を頑張っていますがタラ~)

しかし、「生涯にかかる医療費は終末期の数ヶ月で大半に使われる」

というレポートもあり

「医療費削減のためには、予防だけでなく、今までの何が何でも延命という終末期医療についても、QOL(生活の質)や死生観を含め、検討していく必要がある」

というのは、わかるのですが


<怒りの追求スクープ>さらに340億円の税金が消える 「後期高齢者医療制度」で厚労省が新・天下りポスト(1300人)を作っていた! 週刊ポスト(2008.5.2号)
「年金天引きショック」の裏で官僚たちが高笑い――
都道府県に新設された「広域連合」の巧妙なカラクリとは――

「新たに200万人に負担」「保険料は年金から天引き」――今回の医療改悪ではこの2点が大きく報じられているが、一つ、重大な問題が抜け落ちている。「後期高齢者医療制度」の実施にともなって、各都道府県に“裏自治体”と“裏議会”が作られ、官僚たちの再就職の大きな受け皿ができていたのだ。庶民は老後に泣き、役人には安心のハッピーリタイアライフが待っている。


行政側の無駄を削る前に・・・というか、自分たちのために新な無駄をつくっておきながら
国民には「医療費が際限なく上がっていく痛みを後期高齢者自身が味わえ」、「皆保険を維持したいなら保険料をもっと負担しろ」「終末期で医療費使いすぎなんだよ」と、高齢者医療確保法の担当である高齢者医療企画室長補佐が、肩書き付きでどーどーと発表するのは、どうなんですかね~
あまりにも清々しすぎて、本を読んでみたい気持ちですの~まんじゅう(買う気はない)


そんな、本音満載の著書はこちら(笑)




なお、オンライン書店ビーケーワンには、表紙画像・内容説明・著者紹介が載っていました。

高齢者の医療の確保に関する法律の解説 オンライン書店ビーケーワン

「高齢者の医療の確保に関する法律の解説」表紙